中国砂漠・沙地植物図鑑

木本編

中国科学院蘭州沙漠研究所　編輯

劉[女英]心　主編

徳岡正三　訳・解説

2002年5月30日発行

東方書店

感想など

ゴビは滅多に雨が降らないいつでも乾燥して砂の嵐が吹いているところというイメージがあった。しかし、実際行ってみると結構雨が降り、あれ？と思っていた。そういうときこの図鑑の解説中に、訳者が現地を訪問して2か月滞在したうち23日も雨が降った、という記述を見、植物の専門家も同じ感想を持ったのか、とほっとした。結局、現地を見てみる前に抱いていたイメージは、テレビなどによる虚像……と言って言い過ぎなら、誇張されたイメージなんだろう。

内容について。たとえば元朝秘史に「カラガナの如、散開れ進み」（岩波文庫「元朝秘史 下」p.25）などとよく名前の出るカラガナ（ハルガナ、ハリガナ）の項目を見ると多くの種類があってへーと思ったり、モンゴル語やウィグル語の植物名が出ていたりして、ながめて楽しい。